ぺリット物語

17、その後


「おい、クラトス!おまえ、一番上の箱はレアシリーズなんだからな!それ以上乗せるな。母さんは自分で持てよ!」

「あ〜あ。また始まったよ・・・・・」

まっ赤な顔をして父親にくってかかるロイドを見て、すっかりあきれたしいなが ため息をついた。

アストラル体(精神体)としてエクスフィアに存在していたアンナがフィギュアに住まいを移したのはよかったが、それからが大変だった。

クラトスは、アンナの人形専用のケースを作って(家具までそろっていて、見た目はりっぱなドールハウス)ノイシュに運んでもらっていた。しかも、ロイドが集めたフィギュアケースの一番上に乗せて。

クラトスは、ロイドの抗議(こうぎ)をまったく気にする様子もなく、当たり前だといわんばかりに堂々と言った。

「何を言う。戦いでアンナに傷でもついたらどうするのだ。ノイシュもいいと言ってくれている」

「ほんとかよ!あんたが勝手にやってるんだろ!」

「・・・・・なんか、にてるね、あの二人」

コレットが、くすくすと笑う。

「うむ・・・・・こりだすと止まらないのは父親似・・・・・ということか」

リーガルは、感心した様子でうなづいた。

「にぎやかになって楽しいじゃないか」

そう しいなが言うと、

「ま、いつもとちがうクラトスさんが見れるから、目新しいって意味で楽しいかもね」

と、ジーニアスが冷静に言う。

「・・・・・クラトスさん、だらしないです」

プレセアが、ぽつりともらした。

「私も・・・・・アンナさんみたいに、積極的になりたいです〜」

コレットがため息をつくと、それを見たゼロスが、大げさにおどろいて言った。

「ええっ!? コレットちゃん、男を手玉に取りたいっての?言ってくれるねえ〜」

「ううん、ちがうよ〜。私も、アンナさんみたいに、ど〜んって、人を好きになりたいなーって・・・・・」

もじもじと足元にむかって話すコレットに、リフィルが あきれたように言った。

「・・・・・あれは性格でしょ。あなたには、あなたに合った方法があると思うわ」

「そうですか?」

「そうよ」

「・・・・・そっか。・・・・・そだよね」

コレットは、安心した様子で にっこりと笑った。

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