ぺリット物語

6、ゼロスのたくらみ


「・・・・・あれ? ゼロス、何やってんの?」

外でプレセアと花をつんでいたジーニアスは、花ビンを探すために 小屋に入ったところで、ぽつんと かまの前にたたずむゼロスを見つけた。

ゼロスは横目でジーニアスを見ると、うっすらと口のはしを上げた。

「おう。ガキんちょ。いいところに来たな。ちょっと、おまえも手伝えよ」

「・・・・・手伝うって・・・・・何を?」

ゼロスのことだ。ろくでもないことを考えているにちがいない。 そう思ったジーニアスは、うたぐり深い目でゼロスをにらみながら、 ゆっくりと近づいていった。

ゼロスは、辺りを見回して人がいないのを確めてから、 こっそりとジーニアスに耳打ちした。

「オレさまはな、どーしても、水着のしいながほしいんだよ。 ペリットは、人の記憶が形になるんだろ?だったら、強く念じたら、 出来る確率も上がると思わねぇか?」

「その考え方は否定しないけど・・・・・」

そう言って、ジーニアスは目をそらした。

「ボク・・・・・協力するのはイヤだよ」

「バッカ! おまえなあ〜」

ゼロスは、にやりと笑って言った。

「オレさまに協力してくれたら、しいなが失敗しても、 出来るかもしれないだろ?・・・・・プレセアちゃんの・・・・・水着がよ!」



そのころ、プレセアは、ジーニアスがいつまでたっても帰って来ないので、 つんだ花を川にひたして、コレットやロイドたちと、ノイシュのブラッシングを楽しんでいた・・・・・

それから、どのぐらいたっただろう。

太陽が真上にさしかかったころ、その時はやってきた。

+次のページ+

P.6  1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18.

お話トップへもどる アンナと父様-長いお話『ペリット物語』
copyright(c) kiyotoshi-sawa All rights reserved.