4、そして・・・
「喜んでもらえました〜♪」
手をたたいて笑うコレットを見て、アンナもうれしそうに笑った。
「さあ。じゃあ、私たちは、これからお庭でパーティの用意をするから、クラトスは、ここでゆっくりしていてね」
「そ、そうか。すまんな・・・・・・・・・・・」
答えるクラトスは、どこか落ち着きがない。
「なあ。こっそりのぞいて見よーぜ!あいつがプレゼントで何をするのか、見てみてー!」
小屋を出たロイドが、ほほを高潮させてアンナに言った。
「うーん。見ないほうがいいと思うわよ」
アンナはそう答えたが、ロイドは、早くも小屋の裏にまわって小さな窓から中をのぞきこんでいた。
「アンナさん。大丈夫でしょうか?」
コレットが心配そうに言う。アンナは、かたをすくめて言った。
「ロイドが大丈夫じゃないかもね」
「わ、わたし、見て来ます!」
コレットは、あわててロイドのところへ走って行った。しばらくして、コレットは、頭をかかえてフラフラと歩くロイドを連れてもどって来た。
「・・・・・・・・・・頭いてぇ〜」
「だから言ったのに♪」
アンナは、満足そうにほほ笑んだ。
「ロイド。だいじょぶ?」
コレットは、ロイドの顔をのぞきこんで無事を確かめると、アンナと同じようにうれしそうな顔をして言った。
「クラトスさん、笑ってました。本当にうれしそうに。横顔が、ロイドにそっくりでした♪」
「うげえ!あんなヤツと一緒にすんな!!」
「はいはい。もういいでしょ。人のシュミはそれぞれなんだから♪それよりも、二人ともしっかり働いてちょうだい。わたしは指示するしか出来ないんですからね」
「は〜い♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「それにしても、クラトスさん。あれで何をして遊ぶんでしょうか?」
「ふふふ。何をするのかしらね♪」
アンナは、まるで自分がプレゼントをもらったように幸せそうに笑った。
「喜んでもらえたんだから、それでいいんじゃないかしら。ねっ♪」
アンナと父様-短いお話『父の日のプレゼント』 |