1、父の日のプレゼント
「ねえ。マッサージチェアはどうかな♪」
「あいつが座れるサイズがあるのかよ」
「じゃあ、かたタタキ券とか♪」
「そんなモン、あいつが使うかよ!」
「・・・・・こまったね。アンナさんに相談しよっか、ロイド」
「あぁ〜、もう!それじゃあ、オレたちが話し合った意味がねぇだろ!?」
「そっか・・・・・えへへ、ごめんね・・・・・」
もうしわけなさそうに笑うコレットを見て、ロイドがやれやれとかたを落とした。
ちょうどそこへ、かべを通りぬけて現れたアンナが、二人を見つけて声をかけた。
「はい。二人とも、父の日のプレゼントは、もう決まった?」
「それが、なかなか決まりません〜」
「そうなんだよ。あと3日あれば決まりそうなんだけどな!」
「何を言ってるの。父の日は明日でしょう?・・・・・ねえ、良かったら、 いいこと教えてあげましょうか」
にっこりと笑ったアンナを見て、コレットがきらきらと顔を輝かせた。
「何かアイデアがあるんですか?」
「うふふ♪お金をかけないで、お父様が大喜びするプレゼント♪」
「金をかけないでいいのか!!」
話の前半にくいついたロイドも身を乗り出す。
「教えてくれよ、母さん!」
「いいわよ♪」
あっさりとそう言って、アンナは、にっこりと笑った。
「じゃあ、行きましょうか」
アンナと父様-短いお話『父の日のプレゼント』 |