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「おやあ?一人でおねんねかい?」
「・・・・・せんさいなの。あなたとちがって」
「口のへらない女だね!」
しいなとリフィルの間に見えない火花が散る。
ものすごい顔をしてにらみ合う二人の間に、あわててロイドが飛びこんできた。
「先生もしいなも、いいかげんにしろよ!」
「ロイドは、だまっていなさい!」
「あぁ〜・・・・・リーガル!なんとかしてくれよ!」
弱りはてたロイドが、一緒に戦っていたリーガルに助けを求める。
「う、うむ・・・・・」
困った顔をしながらリーガルが口を開こうとしたとき、4人の目の前に新たな敵があらわれた。
「行くわよ!」「行くよっ!」
同時に声を上げたリフィルとしいなが、互いの顔も見ずにコンビを組んで戦いを始める。
「・・・・・仲がいいんだか悪いんだか、わっかんね〜な、あの二人!」
「うむ・・・・・・・・・・なにはともあれ、我々も行くか」
「おうっ!」
そうぼやきながら、ロイドとリーガルが助けに入る。
「たあーっ!!」
今度の戦いでは、リフィルにいいところを見せようとして前線でつっぱしったしいながピンチで終わった。
ぜえぜえと荒い息をつくしいなに、リフィルの冷たい声がかけられる。
「あ〜ら。ここは、宿屋じゃなくてよ」
「その言い草はなんだい。この冷血女〜」
「ここに置いていこうかしら〜」
「あ〜っ!もう、本当にやめろよ、二人とも!」
ロイドは、自分の体を二人の間に割りこませて言った。
「オレたち仲間だろ?もっと仲良くできねーのかよ!」
「仲間であることと、仲が良いことは、別の次元の話です!」
リフィルがつんと横をむいて言う。
「どうやったら、こんなインケン女と仲良くできるっていうのサ!」
しいなも、負けずに口をとがらせて言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
アンナと父様-短いお話『しいなとリフィルの戦闘日記』 |