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「ゼロス! ゼロスッ!!!」
「バカヤロウ!!! おまえ・・・・・なんで・・・・・!」
・・・・・耳元で、ぎゃあぎゃあとうるせぇんだよ。これだから、ガキは嫌いなんだ。
オレは、最後に文句を言ってやろうと思ったが、もう、目は見えず、口を動かす力も残っていなかった。
全身から感覚が消えていく。
指先が、冷たくなっていく。
からだが・・・・・・重い・・・・・・。
これが、死ぬってことなのか・・・・・?
「ゼロス! しっかりしろ!」
ロイドの声が、遠くに聞こえる。いつもは きんきんとひびいて耳ざわりな声が、なぜか、今は、心地いい。
オレは・・・・・・・・・・・・・・・
裏切ったわけじゃねえぜ
そう言って キメるはずだったのに
なみだが こぼれた。
もう、感覚のないほほに、熱いしずくが流れる。
・・・・・ダッセぇな・・・・・オレ・・・・・・
・・・・・・・・・・・ああ
・・・・・わるくねえ。
・・・・・わるくねえな。こういうのも・・・・・・・。
・・・・・・・・・・最後まで、ウザいヤツらだったけどな。
ああ・・・・・・・・・・・・
わるくねぇぜ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
完
20040227
アンナと父様-短いお話『行く道先に咲く花』 |