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「プロネーマさま!起きてください!朝の会議に遅刻(ちこく)しますよ!」
「しっ、しまった!!」
うとうとと気持ちよく眠っていたプロネーマは、部下の声を聞いて、あわててベットから飛び起きた。
「・・・・・頭痛が・・・・・。そうじゃ。昨日、五聖刃の飲み会で飲みすぎたか・・・・・」
プロネーマは、ガンガンとひびく頭をおさえて、よろよろと着がえを始めた。
めしつかいが、奥の部屋から現れて言った。
「プロネーマさま。湯あみのご用意ができております」
「・・・・・ええい。今日は後にする!ユグドラシルさまをお待たせするわけにはいかぬのじゃ!」
「プ、プロネーマさま!せめて、おけしょうを・・・・・!」
「かまうな!遅刻には代えられぬわ!」
プロネーマは、化粧もしない顔のまま、ろくに髪もとかずに部屋を飛びだした。
「ユグドラシルさま!いま、参りますぞ!」
「いつも一番に来るプロネーマがまだとは。めずらしいこともあるものだな」
ユグドラシルが、コーヒーを飲みながら言った。
クルシス本部の会議室には、すでに、ユグドラシル、クラトス、ユアンがそろい、あとは、五聖刃代表のプロネーマが来るのを待つだけだった。
「いかがしたのでしょうか」
と、クラトスが言った。
いらいらしながら時計を見ていたユアンは、つくえをたたいて大きな声をあげた。
「それにしてもおそい!ちこくではないか!」
「・・・・・ん?なんだか、外がさわがしいな」
ユグドラシルが入り口を見ると、バタンと乱暴にとびらが開いた。入り口で、見かけない女性が、天使に取りおさえられている。
「・・・・・?」
「ええい、はなしや!わらわはプロネーマじゃと何度も言うておろうが!身分証明書は、わすれたのじゃ!ユグドラシルさまが待っておるのじゃ〜!」
この声、この話し方は・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・プロネーマか?」
「ユグドラシルさま!そうでございます!!!」
ユグドラシルの言葉にとても感動したらしいプロネーマが、瞳をうるませて言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
クラトスとユアンは、無言のままかたまっている。
プロネーマの後ろから走ってきたハーフエルフが、分厚いファイルを差し出した。
「プロネーマさま!身分証明書です!あと、こちらが、本日の会議に必要な書類です!」
「すまぬのう」
プロネーマはいつもと変わらない口調で言うと、優雅に室内に入ってとびらをしめた。
「ユグドラシルさま。おはようございます。朝からお見苦しいところをお見せして、心よりおわび申し上げます」
「・・・・・あ、・・・・・ああ」
見た目はまったくの別人だが、声も身のこなしもまちがいなくプロネーマだと分かったユグドラシルは、とまどいながらあいさつを返した。
「ユアンさま、クラトスさま、おはようございます」
「・・・・・・・・・・・・」
「あ、お、おはよう・・・・・」
プロネーマは、かわいらしい笑顔を他の英雄たちにもふりまいて、用意された自分の席についた
アンナと父様-短いお話『プーさんのすっぴん生活』 |