プーさんのすっぴん生活

1、


「プロネーマさま!起きてください!朝の会議に遅刻(ちこく)しますよ!」

「しっ、しまった!!」

うとうとと気持ちよく眠っていたプロネーマは、部下の声を聞いて、あわててベットから飛び起きた。

「・・・・・頭痛が・・・・・。そうじゃ。昨日、五聖刃の飲み会で飲みすぎたか・・・・・」

プロネーマは、ガンガンとひびく頭をおさえて、よろよろと着がえを始めた。

めしつかいが、奥の部屋から現れて言った。

「プロネーマさま。湯あみのご用意ができております」

「・・・・・ええい。今日は後にする!ユグドラシルさまをお待たせするわけにはいかぬのじゃ!」

「プ、プロネーマさま!せめて、おけしょうを・・・・・!」

「かまうな!遅刻には代えられぬわ!」

プロネーマは、化粧もしない顔のまま、ろくに髪もとかずに部屋を飛びだした。

「ユグドラシルさま!いま、参りますぞ!」


「いつも一番に来るプロネーマがまだとは。めずらしいこともあるものだな」

ユグドラシルが、コーヒーを飲みながら言った。

クルシス本部の会議室には、すでに、ユグドラシル、クラトス、ユアンがそろい、あとは、五聖刃代表のプロネーマが来るのを待つだけだった。

「いかがしたのでしょうか」

と、クラトスが言った。

いらいらしながら時計を見ていたユアンは、つくえをたたいて大きな声をあげた。

「それにしてもおそい!ちこくではないか!」

「・・・・・ん?なんだか、外がさわがしいな」

ユグドラシルが入り口を見ると、バタンと乱暴にとびらが開いた。入り口で、見かけない女性が、天使に取りおさえられている。

「・・・・・?」

「ええい、はなしや!わらわはプロネーマじゃと何度も言うておろうが!身分証明書は、わすれたのじゃ!ユグドラシルさまが待っておるのじゃ〜!」

この声、この話し方は・・・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・プロネーマか?」

「ユグドラシルさま!そうでございます!!!」

ユグドラシルの言葉にとても感動したらしいプロネーマが、瞳をうるませて言った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

クラトスとユアンは、無言のままかたまっている。

プロネーマの後ろから走ってきたハーフエルフが、分厚いファイルを差し出した。

「プロネーマさま!身分証明書です!あと、こちらが、本日の会議に必要な書類です!」

「すまぬのう」

プロネーマはいつもと変わらない口調で言うと、優雅に室内に入ってとびらをしめた。

「ユグドラシルさま。おはようございます。朝からお見苦しいところをお見せして、心よりおわび申し上げます」

「・・・・・あ、・・・・・ああ」

見た目はまったくの別人だが、声も身のこなしもまちがいなくプロネーマだと分かったユグドラシルは、とまどいながらあいさつを返した。

「ユアンさま、クラトスさま、おはようございます」

「・・・・・・・・・・・・」

「あ、お、おはよう・・・・・」

プロネーマは、かわいらしい笑顔を他の英雄たちにもふりまいて、用意された自分の席についた

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